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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2019年12月1日
第37回 池田のどべ(つぼ打ち) (1/2話)

 昔々、池田に身長が2メートル以上ある、どべという名の大男がおりました。そのころ、池田のほとんどは小作(※1)の百姓でした。どべも池尻の地主さんの所へ奉公にいっておりました。
ある冬の寒い日の朝、夏に借りた休み分の仕事を返しにいきました。昔の奉公人は朝食前に仕事をするのが習慣になっていたのです。
「おやっさん、おはようございます。夏に借りた休み分の仕事をお返しに参りました」
「おー、それはご苦労さんなことで。そんなら早速じゃが、前の田んぼの肥え土のつぼ打ちを返してもらうか」
つぼ打ちとは真夏に行う仕事です。地主さんは、「どべの奴、どんな顔をするか。ひとつからかってやろう」と、面白半分に仕事を言いつけました。
どべは早速、頭にねじり鉢巻(はちまき)をつけると、吹雪の中を出かけました。そしてそこに積もっていた雪をかきさらい、大鍬(くわ)を振り上げて、ペッタン、ペッタンとつぼ返しを始めました。
―つづく―

※1小作・・・地主さんの畑を耕して生活をしている農家の人のこと。

このお話は、南砺市立井口中学校の「課題学習いのくち民話チーム」が制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


「どべの奴どんな顔をするか。ひとつからかってやろう」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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