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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2019年12月16日
第37回 池田のどべ(つぼ打ち) (2/2話)

 仕事がひと段落すると、どべは地主の縁側に腰をかけ、障子を全部開け放し、
「暑い、暑い」
と大あぐらをかいて、ふところに風を入れて言いました。
 ちょうど朝ごはんのお膳を運んできた地主は、その様子をみてびっくり仰天。
「おや、まあ!本当につぼ打ちをやっちまったのか」と思いながら、
「これはこれは、ご苦労さん。大変だったやろう。さあ、さあ、熱いごはんとお汁を召し上がれ」とすすめました。
 どべは、そのお膳をちょっとのぞいて
「おやっさん、こんな暑い日に熱いものばかり食べられませんよ。今は真夏のまっさかりだから、なすの汁にきゅうりのあえものでも作ってくださらんか」
と注文しました。
 寒い真夏の中で、地主の家の中は戸が開け放されて粉雪が舞い込んできています。さすがの地主もこれには、「参った、参った。堪忍してくれ」と、どべに頼んだとさ。

―おしまい―

このお話は、南砺市立井口中学校の「課題学習いのくち民話チーム」が制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


「暑い、暑い」と大あぐらをかいて、ふところに風を入れて…。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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