トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2020年3月16日
第40回 法師の夢塚(2/2)

「世の中の秋田刈りまでなりぬれば つゆも我が身もおきどころなし」
 雅楽器二品を埋めたのは、平和な時代を願ってのことでしょうか。
「おかしな夢やったなぁ」
 目が覚めて、市右衛門は不思議な夢のことを安居寺の良宥(りょうゆう)住職に話しました。すると住職はこう言いました。
「昔、兼好法師(※1)という歌人が都から逃れ、しばらく安居寺に留まっておられたことがあった。その時に詠まれた和歌と同じものです」
 夢の中のお坊さんは、兼好法師だったのでしょうか。
 住職と市右衛門は相談して、この二つの品を埋め直して塚を作り「秋の田塚」と名付けたそうです。これが、安居寺にある兼好法師の夢塚です。この塚は「長者塚」や「黄金塚」ともいわれ、安居寺の宝物を埋めた所とも伝えられています。
―おしまい―

※1兼好法師・・・吉田兼好。鎌倉時代に活躍した歌人。『徒然草』の作者。

このお話は、南砺市福野地域のひまわりグループが制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


「二つの品は、私が昔、ここに埋めたものです」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.