トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2020年4月1日
第41回 やりのさきのみず(1/2)

 南砺市広瀬舘の城ヶ山に槍の先という所があり、そこへ行くと「ドーン、ドーン」というものすごい音を出して水が流れ落ちています。その流れに手を入れると、氷を持っている様に冷たく、夏でもひんやりしているので、大変おいしい飲み水として村の人からとても大事にされています。
 今から四百年ほど昔、越中の国を佐々成政が、また加賀の国を前田利家が護っていました。前田の殿様は自分の国をもっと広くしたいと考えていました。
「越中では甘くてうまい干柿や、病気によく効く薬を沢山作っておる。何としても成政の国をわしのものにしてやるぞ」
 前田の殿様が家来に話しているのを聞いた富山の薬売りは、急いで成政に報せに行きました。そしてさっそく家来は戦いの仕度を始めました。
「皆の者、前田の殿様をやっつけるぞー」
 始めは勇ましく戦った成政軍でしたが、険しい山道を歩いてきたので、お腹が減り、槍を振りあげる力もありません。戦いに破れた成政たちはやっとの思いで城ヶ山に帰って来ました。そして成政も家来たちも刀で切られた傷口に薬をつけて手当をしてもらいました。
 ところが成政が生きていることを知った前田の殿様は、ますます腹をたて、
「うーん、成政が城ヶ山に生きていたとは、けしからん。おい家来たち、今度こそ成政をひどく困らせる方法はないものか」
と相談しました。しばらくすると家来が言いました。
「成政たちが飲んでいる明神川の水を止めてしまえば水がなくなって困るでしょう」
−つづく−


「何としても成政の国をわしのものにしてやるぞ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.