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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2020年5月1日
第42回 弁財天社のほこら 其の二(1/2話)

 今からおよそ四百年前、大地震で庄川が氾濫し、上流のたくさんの人々が犠牲になりました。しかし、濁流にのみこまれずに残った島が、下流の人々を洪水から守ってくれました。
 越中の殿様は、この島に水の神様である弁財天を祀るよう命じ、島の南に祠が建てられました。

 この弁財天社の祠は飛騨匠(ひだのたくみ)によって造られました。飛騨匠はとても立派な建築の腕をもち、あちこちから頼まれて立派なお宮やお寺を造り続けました。後になって、この匠の娘は、父親が造った建物の出来栄えを見て、自分もしっかり勉強しようと思い、国々を巡り歩きました。
 ある日のこと、娘は弁財天社へやってきました。立派な建物を見て、娘はとても驚きました。ふと見ると、祠に木目を逆だてた逆木(さかぎ)が使ってあるのに気づき、考え込みました。
「これはどうしたことだ。名工といわれる父が作ったものにしては何と不始末なことだろう」
 そしてその夜のうちに、近くの大工に頼んで、祠の逆木を取り外して削り直し、元の所に納めました。親元に帰った娘は、早速弁財天社の逆木のことを父に話しました。
−つづく−


ほこらのさか木を取りはずし、けずり直して…


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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