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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2020年5月16日
第42回 弁財天社のほこら 其の二(2/2話)

 それを聞いた父は、
「まあ、おまえは何ということをしてくれたんだ」
と大変困った顔をして、その場に座り込んでしまいました。
 わけのわからない娘は、泣きべそをかきながら、逆木を使ったわけを尋ねました。
「それは今さらどうしようもない。早速ご公儀(※1)に申し出なけりゃいかん。あの逆木には、庄川の下流の大勢の百姓の願いが込められているのじゃ。庄川はむかし、弁財天から西へ流れていたのじゃが、先の洪水で流れが東へ変わってしもた。それで人々は、それまでの川跡や広い野原を開墾して、田や畑にしたのじゃ」
「わかったよ。庄川の流れが元に戻ると、せっかく開いた田畑が元も子もなくなるのやろ」
「そうだ。逆木はひっかかって元に戻るまい。そういう意味が込められていたんじゃ」
 こうして次の日、飛騨匠は娘を連れて越中の国へ出発しました。そうして村役人に伴われて郡(こおり)奉行所へ出て、今までのことを話し、詫びました。奉行所では今さらどうしようもないと、何のとがめもなく、親子は許されて飛騨の国へ帰りました。
 百年後、弁財天社の上流に松川除(まつかわよけ)堤防が完成しました。砺波地方の人々は洪水の心配がなくなり、川跡や野原を一生懸命開墾して、今までよりも田や畑は広くなり、米などの収穫が増え、みんな喜び合いました。
―おしまい―

※1公儀(こうぎ)・・・この場合は藩のこと。


「せっかく開いた田畑が元も子もなくなるのやろ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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