YOGA教室だよりNo.115から
オーソドックスなヨーガといえぱ『ヨーガ・スートラ』という教典に説かれてあるラージャ・ヨーガ、すなわち八支からなるヨーガ行法を指し、その目的は「心の作用の止滅」です。八支とは1.禁戒、2.勧戒、3.坐法、4.調気法、5.制感法、6.凝念、7.静慮、8.三昧のことをいいます。ラージャ・ヨーガの根本恩想はサーンキャ哲学です。 また今日、インド以外の世界各国で行なわれているヨーガは『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』などの教典に説かれるハタ・ヨーガです。ハタ・ヨーガでは身体を小宇宙とみなし、宇宙そのものと勅応するものであるとします。したがって、身体を生理的に操作することは、宇宙を操作することになり、そのことを通して宇宙そのものと合体できるのだ とします。ハタ・ヨーガの恩想はウパニシャッドにあり、それによると、字宙の根本原理としてプラフマン(梵)を想定し、自己の本体をアートマン(薮)に求めて、この両者は本質的に同一(梵我一如)であるとします。『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』では、1.体位法(坐法)、2.調気法、3.ムドラー、4.ラージャ・ヨーガを説き、全体として身体の生理的操作の実現に腐心しているように思います。 この他にヨーガの流派としては『バガヴァッドギーター』で説かれるバクティ・ヨーガ、カルマ・ヨーガ、ジュニャーナ・ヨーガがあります。バクティ・ヨーガは神への絶対的な信愛、帰依に専心するものです。カルマ・ヨーガは目分に定められた社会的義務を、結果や報酬に執着することなく、ひたすら実践することによって解脱に至るとするものです。 ジュニャーナ・ヨーガは自己の本体(アートマン)が字宙の根本原理(ブラフマン)とまったく同一であることを明らかに知ることによって、解脱に至るとするものです。 もう一つマントラ・ヨーガというものがあります。これは、神秘的な力を持っ呪文を唱えることによって、究極の真理と一体になろうとするものですが、独立したものというより、他のヨーガを補う形で実践されることのほうが多いようです。
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YOGA教室だより
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