となみ野ストーリー 第3回.井波にあった、今はなき温泉とは?
●地図で探してみたものの・・・ 今は影もかたちもなくなっていますが、南砺市今里地区には「吹上鉱泉」という温泉(正確には鉱泉。温度が低いお湯を鉱泉といい、高いものを温泉と区別します)がありました。 時は明治の始め、付近の住民が西大谷川に岩魚釣りに出かけた際、崖からいい香りの水が湧き出ていたのが、開湯の由来とされています。正確には明治7年の開湯で、2階建ての宿が、崖に面して建っていたといいます。 なんとこの温泉、近くに遊園地を持ち、ヨシノサクラが植えられるなど、家族が揃って楽しめる娯楽施設でもありました。サクラの植えられていた所には展望台があり、砺波平野が一望でき、天気がよければ高岡の伏木港まで眺められたそうです。結局、昭和9年頃に火事で廃湯になっています。
●新たな「ロマン」を求めて 昭和60年の『井波町報』によりますと、同年に坂下地内において有志で温泉の掘削を試みたことがあったと紹介されています。二度目の挑戦で地下1,556メートルまで掘り進むと、43℃のお湯がようやく噴き出しました。 この後間もなく、近くに「いなみ木彫りの里 創遊館」が完成しました。こちらでは温泉(正確には再度温めている)があり、井波町の方をはじめ多くの方が利用しています。 ちなみに明治29年に創業した春田氏の酒蔵が、吹上鉱泉のそばでお酒を造っていました。とても水がきれいな所だったということで、お酒を造る工場が建ったのだと考えられます。この酒屋は、現在井波の中心街である八日町通りにて、リカーショップとしてお酒の販売店を続けています。
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今里地区から見た「散居村」。ここから見られる散居村は絶景です!
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