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2014/11/1 2014/12/1 となみ野ストーリー 第13回.五箇山の生活を変えたバス ●静かに役目を終えたバス路線
 平成14年3月31日、万葉線(高岡駅前−越ノ潟間)を加越能鉄道が運行する最後の日でした。その傍らで、静かに廃線となったバス路線がありました。高岡駅前から砺波・井波・小牧堰堤を経由して、国道156号線を南砺市の旧上平村のささら館前まで結んでいた、通称「西赤尾線」です。
 この「西赤尾線」、実は五箇山の人たちの交通事情を大きく変えるバスでした。
そもそも五箇山は「越中の秘境」と呼ばれ、まさに「陸の孤島」となっていました。昭和28年、沿岸道路(現在の国道156号線。砺波市庄川町の小牧付近から南砺市旧平村までの間)が開通しました。ところが現在のように完全に舗装された道路ではなく、いつ土砂崩れが起こるかわからないという、危険な道路でした。
 冬になると整備が不十分だった沿岸道路は通行止めとなり、交通手段は庄川を行き来する船便や籠渡しだけとなりました。

●国道整備後の「西赤尾線」
 国道156号線が部分的に整備されてくると、その部分をバスが走るようになりました。しかし船やバスに次々と乗り変えなければならないという不便さは変わりませんでした。
 そんな矢先である昭和34年2月28日の午前、現在の南砺市下梨付近でささ舟が転覆し、13人が真冬の庄川へ突き落とされました。全員無事でしたが、こうした事故が度々発生していたことから、五箇山の人たちは国道の早期整備と直通バス路線の開通を願いました。昭和53年には、高岡から庄川経由で五箇山へ向かう直通の特急バス「西赤尾線」が開通しました。同年8月には季節バスとして富山駅前からの直通バスも開通し、ますます五箇山へ行きやすくなりました。
 さて、経営合理化を進めていた加越能鉄道は平成14年1月、国土交通省に西赤尾線を廃止したいと申請しました。そして現在、高岡から五箇山方面へ向かうバスは、すべて城端駅前経由となっています。

となみ野ストーリー
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掲載日:2014/11/1 次回更新日:2014/12/1
となみ野ストーリー 第13回.五箇山の生活を変えたバス

●静かに役目を終えたバス路線
 平成14年3月31日、万葉線(高岡駅前−越ノ潟間)を加越能鉄道が運行する最後の日でした。その傍らで、静かに廃線となったバス路線がありました。高岡駅前から砺波・井波・小牧堰堤を経由して、国道156号線を南砺市の旧上平村のささら館前まで結んでいた、通称「西赤尾線」です。
 この「西赤尾線」、実は五箇山の人たちの交通事情を大きく変えるバスでした。
そもそも五箇山は「越中の秘境」と呼ばれ、まさに「陸の孤島」となっていました。昭和28年、沿岸道路(現在の国道156号線。砺波市庄川町の小牧付近から南砺市旧平村までの間)が開通しました。ところが現在のように完全に舗装された道路ではなく、いつ土砂崩れが起こるかわからないという、危険な道路でした。
 冬になると整備が不十分だった沿岸道路は通行止めとなり、交通手段は庄川を行き来する船便や籠渡しだけとなりました。

●国道整備後の「西赤尾線」
 国道156号線が部分的に整備されてくると、その部分をバスが走るようになりました。しかし船やバスに次々と乗り変えなければならないという不便さは変わりませんでした。
 そんな矢先である昭和34年2月28日の午前、現在の南砺市下梨付近でささ舟が転覆し、13人が真冬の庄川へ突き落とされました。全員無事でしたが、こうした事故が度々発生していたことから、五箇山の人たちは国道の早期整備と直通バス路線の開通を願いました。昭和53年には、高岡から庄川経由で五箇山へ向かう直通の特急バス「西赤尾線」が開通しました。同年8月には季節バスとして富山駅前からの直通バスも開通し、ますます五箇山へ行きやすくなりました。
 さて、経営合理化を進めていた加越能鉄道は平成14年1月、国土交通省に西赤尾線を廃止したいと申請しました。そして現在、高岡から五箇山方面へ向かうバスは、すべて城端駅前経由となっています。


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小牧堰堤に停泊中の船。大牧温泉へ行くのに、この舟に乗船します。
小牧堰堤に停泊中の船。大牧温泉へ行くのに、この舟に乗船します。


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