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となみ野ストーリー
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掲載日:2017年11月1日 次回更新日:2017年12月1日
となみ野ストーリー 第49回.刀の魅力に惹かれた男

●すべては「疑うこと」から?
 日本刀の入門書『日本刀辞典」をはじめ、数多くの入門書を執筆し、その魅力を発信し続けたのが、旧福光町出身の得能一男です。
 得能は昭和8年1月12日、西礪波郡吉江村荒木(現在の南砺市荒木)で生まれました。幼い頃から歴史好きで、同20年に旧制礪波中学校(その後は福野高校に編入)に入学、卒業後は警視庁へ就職します。
 ある時、日本刀を見る機会があった得能は、初めて日本刀を目にし、その美しさに感激、以来その魅力に惹かれ、「『警察六法』ではなく刀剣書」というほどでした。得能は、「刀を知るには、その時代の歴史と他の芸術品や人文・地理までを理解しなければ」と考え、史実研究に余念がありませんでした。また彼は「『正宗』だからいい刀、ではなく、自分が気に入ればそれでいい。刀は見ているだけで満足感にひたれるものだ」と、鑑定家らが興味本位で値を吊り上げる風潮を厳しく批判しました。

●世界を舞台に日本刀を啓蒙
 昭和47年、得能は各地の刀剣研究グループ「刀剣研究連合会」を創立します。彼は、会員相互の親睦をはかることに主眼を置き、初心者にもわかりやすく刀の魅力を解きました。翌48年には『日本刀辞典』を発刊、慣習にとらわれない解説書として人気を博しました。
 ライフワークの集大成は、『新版刀工大鑑』の発刊でした。刀工に秘められた歴史を体系的にまとめたもので、その資料的価値は高く評価されました。また晩年には富山を訪れ、郷土資料の収集にあたりました。
 以前より得能は、医者から糖尿の疑いを指摘されていましたが、足を引き摺りながら各地の骨董展示会に出かけました。満足に治療を受けることなく、各地を飛び回る生活を続けて無理を重ね、同14年7月12日、ついに69年の生涯を閉じます。
 刀の本質を、鋭い視点と経験で、総合的に分析・推測して極めるという彼の精神は、刀剣研究を志す人々の心に生き続けています。


得能一男


バックナンバー

12月1日 となみ野ストーリー 第50回.商売に一途であり続けた男
11月1日 となみ野ストーリー 第49回.刀の魅力に惹かれた男
10月1日 となみ野ストーリー 第48回.故郷から文化復興に尽くした男
9月1日 となみ野ストーリー 第47回.タカラヅカに惹かれた男
8月1日 となみ野ストーリー 第46回.下町ルネッサンスを実現した男
7月1日 となみ野ストーリー 第45回.銀の鈴を鳴らし続けた男
6月1日 となみ野ストーリー 第44回.『ノーベル賞』に手が届きそうだった男
5月1日 となみ野ストーリー 第43回.『お笑い』を掘り起こした男
4月1日 となみ野ストーリー 第42回.よきフランスに惹かれた男
3月1日 となみ野ストーリー 第41回.教化の道を極めた男
2月1日 となみ野ストーリー 第40回.商都・高岡を救った男
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