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となみ野ストーリー  

掲載日:2013年11月1日 次回更新日:2013年12月1日
となみ野ストーリー 第1回.なぜサイクリングロードがここに走っているの?

●れっきとした「県道」!
 富山市から大門町を経由してから庄川堤防沿いを走り、井波・福野・津沢を経て小矢部市の石動まで到る、1本のサイクリングロードがあります。このサイクリングロード、実は「一般地方道富山・庄川・小矢部自転車道線」という、れっきとした県道なのです。ご存知でしたか?
 昭和47年、庄川町と小矢部市の国鉄石動駅を結んでいた加越能鉄道株式会社の加越線が廃止されました。モータリゼーションの急速な進展と、沿線人口の減少に歯止めが掛からなかったことから、やむを得ずバス輸送に切り替えられたものです。
この廃線跡をどうしようかという問題が起きた際、県が廃線跡をサイクリングロードとして整備するべく跡地を買収し、再スタートを切ったのです。

●加越線とはどんな鉄道?
 加越線は大正4年、砺波軽便鉄道によって福野・青島町(のちの庄川町駅)間が開通しました。そもそも加越線は、飛騨から流れてくる木材を各地に運ぶ目的に敷設されました。昭和5年に小牧ダムが完成し、流木自体はなくなりましたが、井波の瑞泉寺や高瀬神社への観光客を運ぶ鉄道として、また紡績会社や材木工場への貨物輸送の鉄道として活躍しました。
 ところで砺波軽便鉄道が開通する前まで、乗合馬車が福野と井波を結んでいました。しかし荷物輸送に限度があることと、そもそも馬車自体が乗り心地の悪いものであったことが、鉄道の開通を願う住民たちの大きな期待になりました。開通した日、記念マラソンが行われ、福野から井波までをマラソン選手が汽車と競争しあったといいます。田園地帯を走る、のどかな加越線を象徴するエピソードです。


南砺市高瀬付近を走る、サイクリングロード。後ろには八乙女山も見えます!


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