１１、１２日に開かれる南砺市議会９月定例会本会議で、議長を除く１９人が代表質問や一般質問に立つ。現行の定数２０になった２０１６年１１月以降で、最多となる。議員の問題意識の多様化を反映する一方、庁舎統合問題を巡る意見対立が影響しているという側面もある。　（南砺総局長・宮田求）

　南砺市議会では、慣例として議長は質問しないことになっているため、事実上全議員が質問に立つとの位置付けだ。今回の定例会は、旧４町に分散する庁舎を福光に統合する条例が提案され、審議の行方が注目される。この庁舎問題については、３人が取り上げ、このほかに庁舎統合と絡む職員定員適正化計画や行政センターの在り方をただす議員もいる。

　二つの市立病院改革、井口小・中学校への義務教育学校導入など市独自の課題については、医療や教育問題に詳しい議員からの質問が予定され、活発な議論が期待される。才川昌一議長は「議員がさまざまな目線を持っていることを示せる」と意義を強調する。

　ただ、庁舎問題については、全議員が所属する会派「自民クラブ」の幹事長、山田勉氏が代表質問をする一方、会派会長の片岸博氏と前副議長の向川静孝氏が一般質問に立つという異例の展開。それぞれの質問のスタンスも異なる。単一会派でありながら、各地域の住民感情が絡む庁舎問題を巡っては一枚岩になりにくい実情が浮かび上がる。