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岩のご神体すっきり 砺波・徳万の五社神社
 
2015年8月7日 砺波市 地域・社会






 砺波市徳万の「岩神(いわがみ) 五社神社」の氏子が6日、近くにあった神社との合祀(ごうし)100年に合わせて、岩神の伝説にまつわり、ご神体とされる岩の「お身ぬぐい」を60年ぶりに行い、丁寧に磨き上げた。

 五社神社は古くから「岩神の宮」と呼ばれ、鳥居に「岩神」の社額が飾られている。同神社には「岩上徳摩(いわがみのとくま)」という長者の伝説があり、太っていた徳摩が亡くなった後で岩になり、その上に堂が建てられたという。岩は年々大きくなり、5年ほどで建て替えないと堂が傾いてしまうと伝わる。伝説は江戸期の加越能の奇談を収めた「三州奇談」に記されている。

 ご神体は神殿に安置され、1955(昭和30)年ごろにお身ぬぐいを行った後、地元住民も見ることができなかった。1913(大正2)年に近くにあった稲荷社が合祀されて100年が経つことから、毎年8月6日に行っている「六日祭」に合わせて、お身ぬぐいを行うことにした。

 手袋とマスクを着けた氏子が、拝殿と神殿をつなぐ階段を順番に上り、黒田紀昭宮司からおはらいを受け、ご神体の岩をきれいに拭いた。氏子の有志が神殿と拝殿、鳥居のしめ縄を奉納した。

 代表総代の白崎國男さん(69)=砺波市徳万=は「宮を大切にすれば地域が栄える。岩にまつわる伝承のある神社を引き継いでいきたい」と話した。

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