ぬくもりと郷愁に満ちた童画で人気の画家、中島潔さん(静岡県熱海市)が17日、南砺市五箇山を訪れ、世界遺産の合掌造り家屋をスケッチした。9月に県水墨美術館で開かれる個展に、今回のスケッチを基にした新作を出品する予定で、「風景をそのまま描くのではなく、ここに暮らす人々の温かな心情を表現したい」と意気込んだ。
中島さんは1943年、佐賀県生まれ。水彩や岩絵の具を使ったノスタルジックな童画や物憂げな表情の女性画で知られる。吹き抜ける優しい風を感じさせる作風から「風の画家」と呼ばれる。
相倉集落では、歴史と伝統を感じさせる町並みに感じ入り、かやぶき屋根の重厚な合掌造り民家をスケッチした。この日、同集落の民宿に泊まる中島さんは「地元の方ともいろいろ話をしてみたい」と語った。
企画展は北日本新聞社と同美術館でつくる実行委員会主催。初期の代表作のほか、2015年に京都六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)に奉納した連作「心音図(こころねず)」など約100点を展示する。9月15日から11月5日まで。
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