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山城史跡訪れやすく 小矢部の五郎丸町内会、一乗寺への古道補修
 
2017年8月18日 小矢部市 地域・社会






 小矢部市北蟹谷地区の五郎丸町内会は、地元の市指定史跡・一乗寺城跡に通じる古道「田近道」の整備に取り組んだ。路面が荒れ通行が難しくなっていたため、コンクリート砕石を敷き、城跡を訪れやすいように環境を整えた。

 田近道は戦国時代、加賀と越中を結ぶ街道の一つとして利用された。桝山(ますやま)(277メートル)の山頂にあった中世の山城・一乗寺城は、加越国境を挟んで加賀・前田方と対峙(たいじ)した越中・佐々方が街道に構えた城郭の一つとしての歴史を持つ。城跡には土塁や堀切などの構造が良い状態で残る。

 五郎丸の住民によると、田近道は城跡への富山側からの唯一のアクセス道という。未舗装の路面は近年、歩きにくい悪路となっていたことから整備は長年の懸案だった。

 城跡の保全活動として、田近道のうち、五郎丸から県境の舗装道路までの約400メートルを整備することにした。財源には市民活動を支援する市の「おやべ型1%まちづくり事業」を活用した。

 ことしは五郎丸側から二の丸・本丸への登り口周辺までの約250メートルを整えた。今月上旬、住民がでこぼことなっていた幅約2・5メートルの路面を平らにし、コンクリート砕石を約10センチの厚さで敷いて踏み固めた。二の丸・本丸への登り口には距離などを記した簡単な案内板を取り付けた。

 来年は残りの150メートルを整備する。区長の加藤明博さん、前区長の川原俊昭さんらは「五郎丸側から歩いて城を見てもらいやすくなった。一部、急傾斜の場所があるので、将来は車で通り抜けられる状態までしたい」と話している。

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