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小矢部・稲葉山牧場、循環型農業へ本格始動 肉用牛餌に地元飼料用米
 
2017年12月13日 小矢部市 地域・社会






 小矢部市は、市営稲葉山牧場を拠点にした循環型農業の取り組みを本格的にスタートした。今月から肉用牛の餌として市内で生産された飼料用米を活用。牛ふんを加工した堆肥で農家が育てた穀物を飼料として活用する循環型システムを構築する。

 3月に策定した稲葉山中長期ビジョン計画の一環。稲葉山牧場を循環型農業の要と位置付け、循環型システムを通じて農産物の品質向上や持続可能な農業につなげることを目指している。

 市内で盛んな養鶏の分野では既に稲作や養鶏農家、JAいなばでつくる市飼料用米推進協議会が飼料用米を使った卵の生産や鶏ふん堆肥の活用といった循環型システムを構築しており、牧場でも耕畜連携を進める。

 本年度は今年産の飼料用米5トンの玄米を砕いた粉を餌として活用する。配合飼料と併用しながら、どの程度の量をどのように与えていくかや飼料費の抑制につながるかどうかなどを研究する。

 地元産の稲わらを飼料に活用する取り組みも拡大した。昨年度までは近くの稲作農家2団体から稲わらを回収し、ほ場の地力向上が期待できるという牛ふん堆肥を無償提供していた。本年度からは飼料用米を生産した農地から稲わらを取ると農家に国から交付金が支給される仕組みを活用し、近隣の飼料用米生産団体に対象を広げた。

 牧場を所管する市産業建設部稲葉山牧野の吉田基宏場長は「多くの農家と協力し、より安全で安心な『稲葉メルヘン牛』の生産や牛ふん堆肥を活用した地域農業の振興に貢献したい」と話している。

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