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4世帯6人今も避難 利賀地滑り1年
 
2018年1月16日 南砺市 地域・社会






 南砺市利賀村上百瀬の旧利賀スキー場で大規模な地滑りが発生してから16日で1年になる。冬場は対策工事が中断し、周辺の4世帯6人が今も避難生活を続ける。

 この地滑りは2017年1月16、20日の2回にわたって発生した。当初の推定で約16万5千立方メートルの土砂がたまり、ゲレンデ下の民家や県道にも押し寄せた。

 県は17年11月までの完成を目指し、斜面上部で崩落防止を、下部で土砂流出防止を狙いとした工事を進めてきた。しかし、同年10月の台風21号による土砂流下などで作業が遅れ、18年度に完成がずれ込むことになった。

 現場付近は積雪約180センチで、現在は工事が中断。ただ、降雪前までに発生地付近の地下水脈へ穴を掘り、水を抜き取るボーリングが終了し、崩落防止の効果が見込めるほか、急斜面をなだらかにする工事なども進んだ。担当する県砺波農林振興センターの松井伸彦森林整備課長は「昨年に比べると、随分安定してきた」とみている。

 下部では地面を掘り下げた上で、コンクリートブロックを最大9メートルの高さまで積み上げた構造物を設置する計画。県砺波土木センターが、昨年中に一部エリアで3メートルほどまで積み上げた。ゲレンデ上部、下部とも雪解けとともに工事を再開し、夏や秋の完成を目指している。

 市は県道の通行止め解除に向けた動きや工事の進展を見定めて、避難勧告を解除したい考えだ。

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