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染織家の山下さん企画展 福光美術館
 
2018年3月1日 南砺市 スポーツ・文化






 南砺市福光美術館で3月3日開幕する同市城端の染織家、山下郁子さんによる「こころを織る KIMONO 山下郁子展」の展示作業が28日までに完了した。四季の自然美を捉えた着物や帯45点が、浮かぶように空間を彩る。

 山下さんは東京造形大卒業後、後に人間国宝となった岐阜県の染織家、故宗広力三さんに師事。伝統の技と現代的な感覚を取り入れた着物を手掛け、日本伝統工芸展の本展で最高賞や高松宮記念賞を受賞している。

 1981年の初入選から36年間の作品を春夏秋冬に分けて展示した。冷え切った冬の日の匂いをモチーフにした半紗織(はんしゃおり)着物「寒香」や藤の丹念なスケッチを基にした紬織(つむぎおり)着物「紫の」などが並ぶ。半紗織着物「爽光(そうこう)」は薄手の絹織物が持つ透明感を生かし、天から光が降り注ぐような軽やかな仕上がりを見せる。

 作品だけ鑑賞できるよう、着物を掛ける衣桁(いこう)は使わず、全て透明な糸で天井からつるした。山下さんは「作品にどのような印象を持ってもらえるか、皆さんの率直な思いをつかみたい」と話している。

 4月8日までで、会期中はギャラリートークやワークショップを繰り広げる。一般500円、高校生・大学生300円、中学生以下無料。火曜休館。問い合わせは同美術館、電話0763(52)7576。北日本新聞社共催。

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