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板金の技術受け継ぐ ネパール出身井波のシェルパさん
 
2018年3月16日 南砺市 地域・社会






 ネパール出身のシェルパ・ナワンタシさん(31)=南砺市山見(井波)=は22日、砺波板金高等職業訓練校(砺波市苗加)を卒業する。義父が南砺市で営む板金会社の役に立ちたいと、資格取得を目指して2年間技術や知識を学んだ。外国出身者の卒業は同校で初めてという。シェルパさんは「学びを生かし、周囲に認められる丁寧な仕事をしたい」と意気込む。 

 ネパールの山岳案内会社に勤めていたシェルパさんは、登山に訪れた長田(おさだ)慶子さん(34)と出会い、2013年に結婚。育児環境などを考え、同年末に慶子さんの地元、井波に移り住んだ。

 当初は住宅建材工場などで働いたが、長田板金(南砺市北川・井波)を営む義父、長田恒夫さん(67)の仕事を見て魅力を感じ、「働きたい」と願い出た。15年夏から勤め、恒夫さんの勧めで16年4月から訓練校に通った。

 訓練校には、勤めながら技術を学びたい県板金工業組合員が土曜や日曜に通う。手作業でのはんだ付けや打ち出し成形の仕方、建築や溶接の知識などを学んでいる。

 シェルパさんはネパールにいた頃から日本語を勉強していたが、同校では専門用語の理解に苦労した。指導員が振り仮名を付けるなど丁寧に指導してくれ、シェルパさんは「とても助かった」と振り返る。長谷隆志校長(71)は「意欲が高く真面目。2年生への進級試験は筆記が満点で最も優秀だった」と目を細める。

 1日の卒業試験も突破し、技能検定「内外装板金作業2級」の学科試験が免除される権利を得た。8月に実技試験を受け、合格すれば「2級建築板金技能士」を名乗ることができる。

 22日の卒業式を前にシェルパさんは「一緒に学んだ仲間や先生と離れるのはさみしい。今後は自分が納得できる仕事をしたい」と話している。

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