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「殿様道」整備へ看板設置 参勤交代ルート、福光の有志3人
 
2018年4月23日 南砺市 地域・社会






 南砺市福光地域と金沢市を結び、加賀藩主も参勤交代で通った山道「殿様道(とのさまみち)」を紹介する冊子の売上金を活用し、南砺市福光地域の有志3人が道の整備に取り組んでいる。22日は道に沿って置かれた石仏に看板を立てた。

 殿様道は同市福光地域の坂本地区から医王山を越え、金沢市二俣町につながる10キロ弱のルート。奈良時代からあったとされ、コメなど物資を運ぶ間道として用いられた。1856年に加賀藩主・前田斉泰が参勤交代で通ったことから、殿様道の名で呼ばれるようになった。

 現在は歩く人がほとんどいなくなり、道が荒廃。歴史ある山道を後世に伝えようと、福光地域の上田伸一さんと土居敬生さん、石崎悟正さんの3人がことし1月に冊子「殿様道を歩く」を作成。書店などで販売したところ、想定を上回る250冊余りが売れた。

 売上金を活用し、巡礼道「西国三十三所」にちなんで道沿いに33体ある石仏の看板をつくった。22日は3人が山道を歩きながら、所在不明の3体を除く石仏に、像の名や御詠歌を紹介する看板を設置していった。今後は道の由来や入り口などを示す看板も設けるほか、草刈りなどにも取り組む考え。3人は「皆さんが購入してくださった本の売上金を有効活用し、多くの人が自然を楽しみながら歩ける道にしたい」と話している。

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