南砺市城端のじょうはな織館で26日から始まる黒部市の染色作家、柏井裕香子さん(34)による個展の展示準備が23日、同館で行われた。染めの技法を巧みに用い、独創的な世界観を表現した作品が並ぶ。
個展のテーマは「いつかの、どこかの、だれかしら」。幼い頃に見た光景や友人との思い出を基に制作した作品を中心に展示した。
「シャンプーハット」は、祖母宅の昔の風呂場をイメージした。木綿に筒描き染めと呼ばれる技法で、タイルの壁やシャワーホース、扉の外に広がる夜の風景などを描いた。母親の前掛けをテーマにした「ゆうげのしたく」は、横3・7メートル、縦3・8メートルの大作。ポケットのマッチや小銭などが温かい母親の存在を表し、懐かしさを感じさせる。
柏井さんは「独自の色や形の表現を楽しんでほしい」と話していた。6月17日まで。北日本新聞社後援。
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