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桜町遺跡が研究の原点 愛知の真田学芸員、小矢部で講演
 
2018年6月14日 小矢部市 地域・社会






 小矢部市の桜町JOMONパーク体験棟で13日、愛知県知多市歴史民俗博物館学芸員の真田泰光さん(33)が、桜町遺跡をテーマに講演した。真田さんが富山大の4年生だった12年前に小矢部の市民グループ「桜町石斧(せきふ)の会」と交流を深めたのが縁で実現。同会の活動に参加して感じたことを熱く語った。当時を知る関係者は「とても誇らしい」と感慨深く聞き入った。

 愛知県知多市出身の真田さんは富山大人文学部考古学コースで学び、卒業論文のテーマに「磨製石斧」を選んだ。指導教官に「桜町石斧の会」を紹介してもらい、石斧を実際に製作。小矢部市から新潟県糸魚川市までの約110キロを縄文時代の丸木舟で航海する同会の試みにも参加した。

 講演では、学芸員の仕事など近況を紹介し「桜町遺跡に関する体験は自分にとって大きなウエートを占めている」と切り出した。

 飛び込みだったにもかかわらず快く受け入れてくれた同会に感謝し、丸木舟の航海ではスタート時のこぎ手を務めたことが印象深いと振り返った。

 豊富な出土品など桜町遺跡の魅力を踏まえ「航海の参加者の皆さんの笑顔や泣き顔は考古学がもたらしたと感じ、そのロマンに挑戦したいと思うようになった」と語った。同会の山本護会長は「12年前にまいた桜町遺跡の歴史やロマンの種が花開いた。誇りです」と目を細めた。

 市教育委員会の生涯学習講座の一環で、約30人が耳を傾けた。

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