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認知症、地域で見守ろう 砺波で林地区住民が訓練
 
2018年9月18日 砺波市 地域・社会






 砺波市地域包括支援センターは17日、同市林地区の農業集落センター周辺で、認知症高齢者の徘徊(はいかい)見守り模擬訓練を行った。市内初の取り組みで、地域の住民が行方不明者の捜索や声掛け訓練を行い、認知症への理解を深めた。

 砺波市と林自治振興会が協力して実施し、林地区福祉推進協議会の委員約60人が参加した。市職員の寸劇で声掛けのシミュレーションをした後、同センター周辺で同地区民生委員児童委員が扮(ふん)する行方不明者の捜索と声掛け訓練をした。

 参加者は、行方不明者7人の名前や服装などの特徴が書かれた資料を基に、3〜4人のグループで捜索。対象者を見つけると、「どこに行くの」「何をしているの」などと穏やかな口調で相手の目線に合わせて声を掛けた。

 訓練後は、参加者同士で意見交換し、体験を振り返った。同市の特別養護老人ホーム「やなぜ苑(えん)」の職員による認知症の講義も行われた。

 林自治振興会の老健会長は「命に関わる問題。市内全体で認知症理解への啓発につながってほしい」と話した。柳田辰雄砺波署生活安全課生活安全係長が講評し、「行方不明になったときは、早期の届け出をしてほしい」と述べた。

 市は訓練の最後に、認知症カフェ「ほっとなみカフェ」、市内の公的機関や事業者と連携して行方不明者を捜索する「市徘徊SOS緊急ダイヤルシステム」などの認知症対策事業を紹介し、積極的な利用を呼び掛けた。

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