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書籍費216万円を半減 南砺市議会総務文教委
 
2018年9月20日 南砺市 政治・経済






 南砺市議会は19日、総務文教委員会を開き、市をテーマにした書籍の購入費216万円を108万円に減額する修正案を可決した。当初、千冊分を計上していたが、公費で購入した上で市出身者らに販売する手法への批判が相次ぎ、市が当面必要とする分のみを認めた。市提出議案の修正は市が誕生した2004年以来初めて。ルール化したばかりの議員間討議を初めて適用して話し合った結果だった。

 田中幹夫市長は委員会終了後、北日本新聞の取材に対し、市議会の方針を受け入れる考えを示した。市議会9月定例会最終日の26日、本年度一般会計補正予算案の修正が同委員会から示され、本会議に諮られる。

 市によると、書籍は特定の報道機関が11月に発刊する予定。消費税込み2160円の書籍千冊分の購入費として、216万円を補正予算案に計上した。

 市側は千冊のうち300冊を小中学校や図書館、行政施設に配置し、PR用に200冊を確保すると説明。一方、残り500冊は市出身者でつくる組織や、書籍に登場する人らに購入を呼び掛けるとした。

 これに対し、副委員長の石川弘氏は、市がまとめ買いをして購入を呼び掛ける手法について「転売」と指摘。「市当局として、ある会社から物を買って販売する行為はいいのか」と議員に問い掛け、榊祐人、向川静孝の両氏も同調した。

 市側が、ふるさと教育や市のPRなどへの活用を購入理由に掲げながら、「学校での活用法は具体的に決まっていない」などと述べたり、市で活用する冊数を唐突に修正したりする場面もあった。

 委員7人による議員間討議を経て、最終的に学校や図書館などに配置する500冊分のみの購入に修正。同委員会が全会一致で可決した。田中市長は終わりのあいさつで、「転売目的ではない」と述べ、石川氏らの主張に反論した。

■議員間討議
 議会のやりとりは基本的に議員が質問し、行政側が答える形に固定されている。議員が議案に賛成討論や反対討論をした際も、その意見に他の議員が反対討論することはまずない。一方的な主張や質問だけで終わらず、議員同士で十分に話し合って論点を明確にし、より良い結論を出そうとの考えから議員間討議を導入する議会が増えている。全国市議会議長会の2016年の調査では、全814市のうち35%が実施した。

■浸水対応など4論点 庁舎統合
 南砺市議会庁舎統合検討特別委員会の理事会が19日開かれ、20、21日の特別委で浸水想定への対応など四つを協議の論点とすることを申し合わせた。

 市側は9月定例会で、旧4町に分散した庁舎を福光に統合する条例を提案。田中幹夫市長が代表、一般質問への答弁を通じ、可決への期待感をにじませている。

 特別委では、県が新たに作成した浸水想定区域図で、千年に1度程度の豪雨が発生した場合、福光庁舎別館などで50センチ未満の浸水が想定されていることへの対応策を問う。

 このほか、分庁舎跡地利用を含めた旧4町の将来ビジョンを検討しているまちづくり検討会議への対応や、福光庁舎への初期投資軽減、統合までの行程をテーマとする。

 市側との質疑よりも議員同士の議論を重視し、「議員間討議」を積極的に適用する方向だ。委員長を兼務する才川昌一議長は理事会後の取材に「議員が歩み寄ることができる方向を見いだすため、議論していく」と述べた。

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