顔面動静脈奇形という病気で外見上の悩みを抱え、一人芝居や講演を通じて差別解消を訴えてきた南砺市野尻(福野)、学校司書、河除(かわよけ)静香さん(43)が、病気悪化による約2カ月間の入院治療を乗り越え、24日、地元で2年ぶりのステージやトークセッションに臨む。支えてくれた家族や仲間への感謝を胸に、演技を披露する。
河除さんは生まれつきの病気で顔に変形があり、幼い頃から好奇の目で見られたり、心ない言葉を投げ掛けられたりしてきた。そうした経験から、「見た目問題」という名称で問題提起。自らの心の葛藤を題材にした一人芝居を県内外で披露し、問題への理解を広めてきた。
6月中旬、勤務先の中学校で突然、鼻から出血し、止まらなくなった。持病の悪化が原因だった。砺波総合、杏林大付属(東京)両病院に計約2カ月間入院し、5度にわたり手術を受けた。
この間、足しげく東京に来てくれた夫に支えられ、勤務先の教員からは「治るまで待っています」と温かな声を掛けてもらった。
大量の血がのどに流れ込んだ場合の窒息を防ぐため、退院後も気道に管をつないだ状態だが、発声にほぼ支障はなく、芝居は続けられることになった。
2016年以来、2年ぶりとなる地元でのステージパフォーマンスは24日、南砺市福野文化創造センターで開催。中学時代の体験に基づく一人芝居を披露する。「やりたいことができる幸せ」を実感し、「支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを込めて演じたい」と話している。
© 北日本新聞
|