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地元作家の作品を購入 南砺市福光美術館
 
2018年12月12日 南砺市 政治・経済

 南砺市福光美術館は、これまで寄付によって収蔵していた地元作家の美術作品を、選定委員会による審査を経て初めて購入する。価値の高い作品の流出を防ぐのが狙い。第1弾として南砺市城端の染織作家、山下郁子さんの作品の購入を進める。11日の市議会産業建設委員会で市側が説明した。

 市福光美術館は1994年の開館以来、地元ゆかりの板画(はんが)家・棟方志功と日本画家・石崎光瑤の作品のみを購入し、他の作品は寄付されたものを収蔵してきた。

 市内には全国レベルの展覧会で高い評価を受ける作家が多くいる一方、受賞作などは都市部で購入されてしまい、地元に残らないことが懸念されていた。今後は地元作家の作品も購入対象とし、南砺ゆかりの幅広い芸術を市民に紹介する。

 地元作家として初めて市が購入を進める山下さんの作品は、第64回日本伝統工芸展で高松宮記念賞を受賞した半紗織着物「春の川」。12月補正予算案に150万円を計上した。美術品購入費に関し、松本誠一、石川弘氏が質問した。

■合掌の里改修へ
 南砺市が同市菅沼(上平)の「五箇山合掌の里」を、宿泊施設などとして再整備する計画について、市は来年2月にも有識者らでつくる検討委員会を初めて開き、本格的な協議に入る。11日の市議会産業建設委員会で、松本誠一氏の質問に答えた。

 合掌の里には13棟の合掌造り家屋が保存され、宿泊施設として活用されている。市は増加する外国人観光客らをターゲットに、上質な宿泊サービスや観光情報を提供する拠点施設として再整備する計画を示していた。

 一方で、合掌造りのような歴史的な建造物を改修する際は、現行の建築基準への適合が難しいことがネックになっている。検討委では合掌造りの歴史的価値を認める条例の制定や設計上の指針を策定した上で、県建築審査会で建築基準法の適用除外の同意を受ける手続きを進める。

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