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遠隔学習の機器充実 南砺市
 
2019年2月20日 南砺市 地域・社会







 南砺市は新年度、井口と五箇山地域の小中学校で導入している情報通信技術(ICT)活用の「遠隔協働学習」のうち、小学校では機器を増やし、複式学級のハンディ克服を目指す。鹿児島県徳之島町の先行事例を参考に、県内初の試みとして取り組む。19日の市総合教育会議で、市教育委員会が方針を示した。

 遠隔協働学習は、テレビ会議システムで2校を結んで大画面に互いの教室を映し出し、一つの教室のような空間の中で、タブレット端末や電子黒板を用いて授業を行う仕組み。南砺市では井口、利賀、上平の3小学校と井口、利賀、平の3中学校で、2015年度から順次導入している。

 新年度からは小学校の機器を拡充。二つの学年の授業を1人の教諭で掛け持つ複式学級の遠隔協働学習に2セットの機器を取り入れることで、両校の教諭が手分けして学年別に授業をできる環境を整える。鹿児島県徳之島町で先行して行われ、「複式双方向型」と呼ばれる。

 少子化の中、山間地にもきめ細かく学校を配置する同市で、複式学級のハンディ解消につなげる狙いがある。

 従来のやり方では、教諭が一方の学年に対面授業を行う間、もう一方の学年が自習をするなど、教諭と子どもとのやり取りが行き届かない面がある。

 徳之島町で「複式双方向型」を実施したところ、対面授業の時間が平均で従来の21分に対し36分と大幅に増えた。課題解決の時間が9分から15分、子ども同士で課題を解く時間も10分から14分に増え、効果が表れた。

 市教委は「子どもの主体的な学習や個別指導の充実につながる」とみている。高田勇教育長はこの日の総合教育会議で、中学校への拡大に意欲を示した。

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