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南砺市消防団、負担減らし組織強化へ
 
2019年3月26日 南砺市 地域・社会






 地域の安心・安全を守る消防団員の担い手確保が課題になる中、南砺市消防団(武田慎一団長)の再編に向けた協議が進められている。団組織の統合や広域化、定数条例の改正などについて広く検討し、団員の負担軽減や有事への体制強化を図る。5月にも複数の素案を幹部に示した上で、住民説明会や団員からの意見吸い上げに入る。

 南砺市消防団は2004年の市合併を機に、4町4村の8消防団が統合して発足。現在は8方面団、レディー分団を含め38分団が活動している。定数は発足時から変わらず1264人。1月1日現在の団員数は1227人で、富山市に次いで県内2番目の規模となる。

 団員数はほぼ横ばいで推移する一方、近年は山間部を中心に、若手の団員確保が難しくなっている。平均年齢は04年の40・2歳から、17年は43・3と3歳超アップ。訓練や地域行事の役割を担うのが毎回同じメンバーになるなど、団員の負担が増しているだけでなく、分団単位で活動を継続するのが困難になっている地域もある。

 こうした実情を踏まえ、同団は再編に向けた検討をスタートさせた。2月中旬には幹部や市職員、南砺消防署員が再編に取り組んだ岐阜県関市を訪問し、実例を学んだ。先進地の事例も基に、組織の統合や広域化、定数の見直しなども含めた素案を近く策定する。

 消防団はそれぞれの地域の防災力とコミュニティーの中核を長く担ってきた組織だけに、住民感情に配慮しながら段階的に計画を進める。近川利行南砺消防署長は「現状を丁寧に説明し、理解を求めていきたい」と話す。

 団員のサラリーマン化の影響で日中に活動できない人が増えていることも踏まえ、OBを中心に特定の活動や時間の許す範囲で活動する「機能別消防団員」を増やすことも検討する。消防団では「団員から切実な声が届く中で、再編は避けて通れない問題。納得してもらえるよう説明を重ねていく」と話している。

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