小矢部市下後亟(しもごぜ)に伝わる全国でも珍しい奇祭「酒とり祭」が11日、地元の神明社で行われた。ふんどし姿の男性たちが参拝客にお神酒(みき)を飲ませたり境内にまいたりし、無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
神事と獅子舞に続き、ふんどしに白のはちまきを締めた20〜40代の約20人が鳥居の下に集合。ひしゃくを手にしており、太鼓の合図で「ウヒョーイ」などと甲高い声を上げながら勢いよく走り出した。拝殿に駆け上がり、ひしゃくにお神酒を入れてもらうと、境内に戻って参拝客に飲ませ、空にまくなどした。
男性たちは拝殿と境内を何度も行き来し、用意された一升瓶15本分が無くなるまで続けた。最後に一本締めを行い、青年会長の森田光勝さん(29)は「気持ちいい。地区の発展と健康を願いたい」と充実感を漂わせた。
祭りは下後亟神明社の春季例祭に合わせて行う。300年以上前から続くと伝わる。
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