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ワイン産地へ植樹開始 福光で有志会社
 
2019年4月24日 南砺市 地域・社会






 ワイナリーの整備計画が進められている南砺市福光地域の休耕地に23日、関係者が初めてブドウの苗を植えた。ことしは計2万本を植え、夏には醸造棟も着工する。南砺をワインの一大産地にするプロジェクトが、いよいよ本格始動した。

 ワイナリーとブドウ畑が設けられるのは、丘陵地が広がる南砺市立野ケ原地区一帯。昨年11月に高岡市清水町の酒店社長、中山安治さん(68)と南砺市田中(福光)の飲料メーカー社長、五天外喜雄さん(69)らが事業運営を担う会社「トレボー」を設立し、畑の整備に取り組んできた。

 初めての苗植えには、トレボー社長の中山さん、会長の五天さん、田中幹夫南砺市長らが参加。枝を支えるポールが立ててある約2ヘクタールの畑に、白ワイン用のシャルドネの苗を「おいしくなれ」と声を掛けながら植えた。田中市長は「夢の計画がスタートしたことを実感した」と笑顔を見せた。

 春は9千本、秋には1万1千本を植える。品種は赤ワイン用のメルロやカベルネ・ソービニオン、ピノ・ノワール、白ワインはシャルドネやソービニオン・ブランを予定している。初めて実ったブドウで造るファーストビンテージは2020年秋に出る見込みだ。

 既に日本酒やワイン造りに携わった若者3人を社員として雇用。醸造棟は7月に着工し、年内の完成を目指す。事業費は約5億円を見込んでおり、国や市の助成を受けるほか、クラウドファンディングなども活用して資金を募る。

 将来的には12ヘクタールの敷地に、ブドウ2万5千本の定植を目指す。中山さんは「思いが形になり始めた。地域に働く場を提供できればいい」と言う。五天さんは「何としてもおいしいワインを造りたい」と意気込んでいる。

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