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南砺市が学級担任制見直し 全17小中学校、来年度から
 
2019年9月30日 南砺市 政治・経済






 南砺市教育委員会は来年度から市内の全17小中学校で、従来の「1学級1担任」の体制を見直し、複数の教員がチームで学年全体や二つの学年を指導する仕組みを導入する。若手からベテランまでが協力して指導に当たることで、教育の質の向上を図る。朝の業務を交代で担い、時間差出勤することも可能で、教員の長時間労働を改善する「働き方改革」の効果も期待される。

 南砺市教委によると、固定担任制の見直しや、教員の時間差出勤の導入は県内で初めて。

 教員の配置は学校の裁量に委ねられている。市教委は、教員にも経験や得意分野に個人差があり、特に担任が全教科を教える小学校では児童の学びに差が生じてしまう恐れもあるとして、配置を見直すことにした。

 最終的には学校が実態に応じた教員配置を行うものの、来年度からは2学年以上を一つにした「複式学級」や1学年1学級の小規模の小学校で、音楽や図工、家庭などの授業を2学年合同で実施できるようにする。1・2年、3・4年、5・6年の合同授業で、教員2人ずつが対応する。

 1学年に複数学級がある学校も、学年全体の合同授業を取り入れる。他の学年や他の学級と一緒の授業で、児童が多様な考えに触れる機会をつくるのも狙いという。

 国語や算数などの教科はメーンの担当の教員が授業をするが、同じチームの教員と柔軟にカバーし合うことができる。

 ホームルームも複式や学年合同で実施することとしており、若手教員が業務を通じてベテランから学ぶ「OJT」(職場内訓練)にもつなげる。

 中学校では、その学年に配属された教員グループが、交代で各学級のホームルームや給食指導を行う。部活動の指導などで教員の勤務時間が長くなることが課題となっているため、各学級の「朝の会」を交代で担当し、朝の業務がない教員は2限目の授業から出勤できるようにする。

 松本謙一教育長は「子どもはもちろん、先生にとっても価値ある学校づくりにつなげたい」としている。

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