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32年の歩み感じて 井波美術館で最後の企画展開幕
 
2019年11月21日 南砺市 スポーツ・文化






 12月末で閉館する南砺市井波美術館(土田信久館長)で20日、最後の企画展が始まった。同館の歴史を彩ってきた彫刻や工芸、写真などを展示。土田館長は、同館が32年の歴史に幕を下ろすことに寂しさを感じつつ「物故者も含め、多彩な作品を展示した。さまざまな時代の雰囲気を感じてもらいたい」と話している。

 井波美術館は1920年代半ばに建てられた中越銀行支店の建物を活用し、87年にオープン。運営は、市と管理委託の契約を結んだ井波美術協会の有志が担ってきた。一方で、耐震化されていないため、市は公共施設として維持していくのは難しいと判断。市と同協会との管理委託の契約が12月末で終了するタイミングで閉館することになった。地元関係者は建物存続のため、新たな活用策を模索している。

 今回、長年の美術館の歴史を彩ってきた作品を集め、多くの人に、その軌跡を知ってもらおうと、同館と井波美術協会が企画展を開催。同館の運営に携わってきた会員や、その物故者ら計52人の彫刻や写真、工芸、書、絵画を1点ずつ展示した。今年の日展で特選に輝いた横山丈樹さんの彫刻像や、漆の技法を施した志観寺(しかんじ)範從(のりよし)さんのパネル、木々に柔らかな光が差し込む様子を捉えた安念余志子さんの写真などが並ぶ。

 企画展は12月22日まで。北日本新聞社後援。同1日には、関係者らを招いた感謝の集いを行う。

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