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渓明会広報紙、利用者の姿伝え100号
 
2020年2月14日 小矢部市 地域・社会






 知的障害者らの自立を支援する社会福祉法人「渓明会」(小矢部市)の広報紙「渓明」が1985年の創刊から100号を迎えた。これまでにわが子への思いをつづった保護者の寄稿などを紹介しており、近年は利用者一人一人の表情を伝えるため写真を多く掲載している。編集を担当する職員は「頑張って生活している姿を紹介したい」と気持ちを新たにしている。

 渓明会は1985年、小矢部市論田に初の施設「渓明園」を開設した。施設で暮らす利用者の姿や行事の様子を伝えようと、間もなく渓明を創刊した。全8ページの第1号は、園長の意気込みや渓明園誕生までの道のりなどを紹介している。

 4〜49号は、保護者の寄稿コーナー「我が子に思う」を載せた。1回につき2、3人に思いをつづってもらい、計約100人が登場した。これまでの苦労や入所生活を送る子どもを思いやる言葉などが並ぶ。

 ある保護者は障害を診断された時を振り返り「驚きと不安に私の心は揺れ動きました。しかし、我が子は親の私にしか育てていくことができないと思い直し、無我夢中で育ててきました」とつづった。初めて子どもと離れて暮らす寂しさと不安も率直に記しつつ、施設での新生活にエールを送っている。当時職員として編集に携わった田島志郎さん(71)は「これまで閉ざしていた思いを書いてもらった貴重なもの」と感慨を込める。

 現在の渓明は小矢部、砺波両市にある4事業所について知らせる。A3判で年3回発行し、行事や事業所の新製品などを多くの写真で紹介する。

 担当の石橋陽一さん(56)は「利用者一人一人の姿を紹介したい」、加藤めぐみさん(49)は「皆さんに楽しんでもらえる記事を書きたい」と意気込んでいる。

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