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北日本新聞ニュース

みこし147年ぶり新調
 
2020年4月16日 南砺市 くらし






 南砺市福光地域の宇佐八幡宮の春祭りで、男衆が担ぐみこしが明治初期から147年ぶりに新調された。担ぎ手が減少する中、伝統を守るため、従来より軽量にして負担を軽くした。今年は新型コロナウイルスの影響で巡行が中止になったものの、15日の春季祭礼に合わせて新旧2基が披露され、朝から大勢の住民が見入った。

 毎年4月の宇佐八幡宮の春季祭礼では、厄年の男衆らが巨大なみこしを担ぎ、1日がかりで旧町約11キロを練り歩く。230年余りの歴史がある。

 現在は厄年の数え25、42、61歳と、42歳の前厄、後厄が担ぎ手を務める。厄年の男性の減少を踏まえ、担ぎ手の範囲を拡大してきた。今年はさらに、みこしを軽量化することが決まった。従来のみこしは1872(明治6)年に京都市の吉田神社から買い受けた。

 新たなみこしは代々の担ぎ手の寄付金で購入。小ぶりになったものの、屋根にハトをあしらうなど、従来の意匠を引き継いだ。まん延していた疫病を、ハトが追い払ったという祭の由来にちなんだ。緻密な細工が施された従来のみこしは価値が高いとみられ、文化財としての申請や同八幡宮の節目に活用することなども視野に保存していく。

 石黒邦昭宮司は「大切な伝統を後世に引き継いでいくためのみこし。心も新たに地域で守っていきたい」と話している。

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