トップ > ニュース >北日本新聞ニュース >俳句文芸誌「表情」を創刊

北日本新聞ニュース

俳句文芸誌「表情」を創刊
 
2020年8月18日 南砺市 スポーツ・文化






 8月に500号をもって終刊した俳誌「人」(本部・千葉県)の県内在住の同人が中心となり、新たな発表の場として隔月刊の俳句文芸誌「表情」を創刊した。県内を拠点とする俳誌の創刊は2010年の「森」以来10年ぶり。主宰の川井城子さん(76)=南砺市理休(城端)=は「隅から隅まで楽しみながら読んでもらえる身近な本にしたい」と語る。

 「人」は1979年、神奈川の俳人、故進藤一考さんが創刊。全国の俳句愛好者約300人が所属し、千葉県の佐藤麻績(おみ)さんが主宰を務めていた。

 同誌の終刊が決定したことを受け、「人」富山支社はいったん解散したが、支社長を務めていた川井さんが中心となって創作の場を再興した。北日本新聞カルチャー教室などで川井さんの指導を受ける受講生らを中心に40人が所属。ほぼ全員が「人」の元同人で、北海道や熊本、神奈川など県外からの参加者もいる。

 同人の句を7句ずつ紹介する「妙想抄」、川井さんが秀句を取り上げて評する「作品鑑賞」などで構成する。〈眼つむれば微苦笑の顔松の芯〉(川井さん)、〈シーソーの相手は夕日麦の秋〉(上田豊子さん)、〈空豆を剥くコロナ禍の記事の上〉(島倉千春さん)などの作品を収めた。

 城端の古句を紹介する連載や、紀貫之について書いたエッセーなどの寄稿もある。

 誌名には「あらゆるものの表情を捉えられれば」との願いを込めた。川井さんは「『俳句は人なり』を信条としていた進藤一考の教えを伝えていきたい」と話している。問い合わせは川井さん、電話0763(62)1308。

© 北日本新聞
 
Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.