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ブリュートナーの音色伝えたい 竹田楽器所有の独ピアノ
 
2020年10月16日 南砺市 地域・社会






 南砺市福野の竹田楽器が、国内では珍しいドイツのピアノメーカー「ブリュートナー」のピアノの調律を手掛けている。来年1月にこのピアノを使ったコンサートを企画しており、竹田時康代表(76)は「歴史ある楽器の音をたくさんの人に伝えたい」と話している。

 竹田代表によると、通常のピアノは1音に対し3本の弦が張ってあるが、ブリュートナーのピアノは高音部に「共鳴弦」と呼ばれる4本目の弦がある。「アリコート」という独特の弦構造で、響きを増幅させる効果があり、音色が豊かになるという。

 竹田代表が調律しているのは1977年製で、7月に大阪で購入した。竹田代表は「4本弦は国内で非常に珍しく、ぜひ欲しかった」と振り返る。

 竹田楽器は1923年に創業。竹田代表の父、裕計さん(故人)から、長男の昌功さん(53)、孫の怜生(さとき)さん(26)まで4代続く調律師一家だ。竹田代表は「古い楽器を大切にして音を追求する人が少なくなった中、ピアノ専門の店としてしっかり調律したい」と語る。

 コンサートは来年1月に南砺市福野文化創造センターで開催を予定している。金沢市在住のピアニスト、山田ゆかりさんが演奏する。ブリュートナーのピアノはシューマンやメンデルスゾーンらロマン派の作曲家が愛用していたとされ、竹田代表は「ロマン派の音色を楽しめるコンサートにしたい」と意気込む。

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