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伝統の「成木責め」復活 福光 吉江干柿組合
 
2021年1月15日 南砺市 地域・社会






伝統の「成木責め」復活 福光 吉江干柿組合

 南砺市福光地域特産の干し柿作りを担う吉江干柿生産組合(幅田孝三組合長)は14日、同市高宮(福光)の柿の木畑で、豊作を願う儀式「成木責(なりきぜ)め」を行った。50年ほど前に廃れてしまったが、地元に「あんぽ柿」の共同加工センターが建設されることを機に、伝統行事を復活させた。

 成木責めは小正月に、柿や栗などの果樹の豊作を祈願する全国的な民俗行事。組合員の高橋喜良さん(68)は幼いころ、祖父が畑で行っているのを目にしたという。現在、福光地域に行事を継承している農家はおらず、高橋さんが中心となってお年寄りに聞いたり文献などを調べたりして、復活にこぎ着けた。

 近くの比賣(ひめ)神社での神事に続き、成木責めを行った。行事には齊藤宗人副市長や北島健一富山干柿出荷組合連合会長、喜志麻保育園の2歳児12人らが参加。手ぬぐい姿の齊藤副市長らがなたで木をたたき「成るか成らんか。成らぬと切るぞ」などとはやすと、子どもたちは柿の木の精霊になったつもりで「成ります、成ります、成りまーす」と答えた。子どもはなたで傷ついた柿の木に小豆がゆを塗った。

 齊藤副市長は「子どもたちに干し柿文化を守る大切さを感じてもらうことで、次世代への継承につながる」とあいさつした。

 行事は来年以降も続けていくという。幅田組合長(73)は「皆さんの協力で伝統を復活でき、本当にありがたい」と話していた。


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