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川のごみ、どう漂流 福光南部小、GPSボトル使い調査
 
2021年2月9日 南砺市 地域・社会






 位置情報を把握できる衛星利用測位システム(GPS)を付けたペットボトルを使い、南砺市内の川から流れたごみがどのように海に漂流するかを学ぶ授業が8日、同市小坂(福光)の福光南部小学校で行われた。子どもたちは身近な川を守ることが、海の環境保全につながることに理解を深めた。

 SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れた教育活動の一環として、市が初めて実施。昨年10月、GPSを付けた10本のペットボトルを福光南部小から約2キロ離れた橋の付近から流し、海にたどり着くまでの日数やルートを調べた。

 授業は環境コンサルタントの十二町真二さん(富山市)が講師となり、同校の4、5年生21人が参加。ドローンで川や海岸を撮影した動画や、クイズを交えながら説明した。

 南砺市内から流したボトルが河口に着くまでの日数は116日。河口からいったん能登半島の南側まで漂流したものの、射水市の六渡寺海岸に流れ着いた。六渡寺海岸は漂着ごみの量が県内の海岸で最も多い。重機で清掃しても、10日後に再びごみだらけになった海岸の写真が紹介され、児童たちは驚いた様子で見入った。マイクロプラスチックの影響などについても説明を受け、ごみをポイ捨てしないことやリサイクルの大切さを学んだ。

 高田愛子さん(5年)は「南砺市に海はないけど、川を守ることで海が守れることが分かった」と笑顔を見せ、中川稜太君(同)は「きれいにした海岸がすぐに汚くなるのにびっくりした。ポイ捨てしないよう気を付けたい」と話した。

 市は来月、福野小学校でも授業を開くほか、今後はパンフレットを製作したり、市民向けにも授業を開催したりすることを検討している。

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