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松村謙三と宮沢賢治に接点?
 
2021年4月15日 南砺市 地域・社会






 農地改革や日中国交回復に尽力した南砺市の政治家、松村謙三(1883〜1971年)の旧制中学・大学の同級生が、詩人で童話作家の宮沢賢治(1896〜1933年)と親交があったことが分かった。松村記念会館(南砺市福光)の鳥越知証館長は「同級生を通じて謙三と賢治につながりがあった可能性がある。さらに調べれば2人の接点が出てくるかもしれない」と期待している。

 同級生は高岡市出身の高日義海(たかひぎかい)(1883〜1940年)。県立第二中学(現高岡高校)と早稲田大で謙三と交流があり、一緒に大学の願書を投函するほどの仲だった。高日は高岡商業学校(現高岡商業高校)で教諭を17年間務めた後、岩手の花巻高等女学校の校長兼教諭となった。

 宮沢賢治とは花巻で教師仲間として知り合ったらしく、高日の自宅で毎月開かれた花巻輪読会(座談会)に賢治が参加した記録が残されていた。

 現在、松村記念会館は遺墨調査と資料のデータベース化を進めている。調査を担当する大東文化大の武田知己教授から、北日本新聞で連載した謙三の「三代回顧録」(東洋経済新報社刊)に登場する高日への問い合わせが端緒になり、高日と賢治の交流が分かった。

 南砺市在住で謙三の孫の松村壽さん(84)は「高日が謙三の実家に来た記録もあり、親交は深かったようだ。調査が進めば新たな発見があるかもしれない」と話している。

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