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70年前の米作り知って 砺波郷土資料館元館長が冊子
 
2021年5月10日 砺波市 地域・社会






 砺波市砺波郷土資料館の元館長、高原徹さん(73)=同市小島=が、冊子「若い人に伝えたい 砺波地方の昔の米作り」を発行した。牛や馬を使って田を耕し、苗を手植えしていた1950年代ごろまでの稲作を、携わった人が元気なうちに形に残したいと考えた。体験談や写真を交え、若い世代にも分かりやすくまとめた。 

 かつては人間と動物の力だけで全ての農作業を進めていたことを、小中学生ら若い世代に伝えたいと、1年掛かりで作成した。今回は前編で、種まきや田植えなど1〜6月の作業を盛り込んだ。

 高原さんは、砺波、南砺、小矢部3市の80〜90代の計約30人を訪ね、当時の米作りについて聞き取った。冊子では、牛や馬に「犂(すき)」や「馬鍬(まんが)」などの農具を引かせて田を耕していたことや、小学校に「田植え休み」があり、家族や近隣住民が総出で田植えに励んだことなどを紹介している。

 住民からの提供を含め200枚以上の写真を使い、「馬は相手を見て気が荒くなったり優しくなったりする」「親は午前6時半から近所の田植えの手伝いに行った」などのエピソードも掲載した。

 高原さんは「先人の苦労や住民同士の助け合いの精神を感じ、語り継いでほしい」と話している。

 冊子はA4判42ページ。500部作り、市内小中学校や図書館、公民館などに贈った。希望者には砺波郷土資料館で無料で渡す。問い合わせは同館、電話0763(32)2339。

 後編は来年3月に発行予定で、稲刈りをはじめ7〜12月の作業を取り上げる。

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