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一軒家 葬儀の場に 砺波、空き家活用
 
2021年9月16日 砺波市 地域・社会






 空き家を改装し、落ち着いた空間で故人との別れの時間を過ごせる家族葬専用の葬儀場「苗加邸(のうかてい)」が、砺波市苗加にオープンした。川岸範裕さん(46)=同市宮森新=と三澤遼さん(27)=同市平和町=が、葬儀会社に勤めた経験を生かし、身内や親しい知人だけで葬儀を行いたいという声に応えて開設。新型コロナウイルス禍でニーズは高まっており、2人は「新しい生活様式に合わせ、一軒家での家族葬を一つの選択肢にしてほしい」と話す。

 川岸さんと三澤さんは以前、同じ葬儀会社に勤めていた。遺族と接する中で、「参列者を限定して小規模で行いたい」「少ない人数で心を込めて見送りたい」といった要望が多く寄せられ、三澤さんが葬祭ディレクターの資格を持つ川岸さんに家族葬専用葬儀場のオープンを提案した。

 4月に新会社「庄東葬祭」を設立し、川岸さんが社長、三澤さんが専務を務める。市の空き家情報バンクを活用し、木造2階建て延べ床約230平方メートルの一軒家を購入。二つの和室を改装して式場としたほか、室内の段差をできるだけなくしてバリアフリー仕様とした。宿泊できる部屋やキッチン、浴室もある。

 葬儀などをせず火葬のみを行う直葬、通夜を省略する一日葬にも対応し、式場は約30人まで収容できる。2人は会場の設営や納棺、式の進行など全てを担当する。

 葬儀に関する相談や見学も受け付けており、これまでに40人以上が来場した。

 川岸さんは「家族葬を行う時に何をしたらいいのか分からない人も多いと思う。安心して故人をしのぶことができるようサポートしたい」と話している。

 問い合わせは同社、電話0763(55)6999。

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