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利賀の竹かんじき、砺波郷土資料館に寄贈
 
2022年6月23日 砺波市 地域・社会






 南砺市利賀村大勘場で約50年前に作られた長さ約2メートルの「竹かんじき」が見つかった。除雪機が普及する以前に雪深い利賀地域でも歩きやすいよう住民の知恵が詰まった珍しい民具で、砺波市砺波郷土資料館に寄贈された。同資料館は今冬にも展示することを検討している。

 利賀村史などによると、竹かんじきは全国でも利賀地域にのみ伝わる。五箇山地域では一晩に1メートル以上の雪が積もることがあり、長さ30センチほどの輪かんじきでは腰まで雪に埋まり、歩行がままならないことになる。だが、表面積が大きい竹かんじきなら、膝まで埋まらず移動することができるという。

 今回見つかった竹かんじきは3対あり、長さ約2メートルが2対、約1メートル半が1対。竹や麻ひも、針金でできており、南砺市利賀村大勘場にあった東義一さん(87)の倉庫に保管されていた。

 東さんの家族によると、亡くなった親族が約50年前に作ったという。東さんの知人で、竹かんじきに興味を持った射水市小島(大島)の壁山政美さん(60)が譲り受け、砺波郷土資料館に寄贈した。

 除雪機が普及する前を知る地域住民の中でも、竹かんじきの存在を知らない人がいるという。同資料館の脊戸高志副館長は「積雪量の違いなどで、利賀地域の中でも使われた範囲が限定された可能性がある」と推測する。

 検討中の展示では「砺波地方で使われた他のかんじきと比較できるように並べ、雪深い地域の風土が伝わるようにしたい」と話している。


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