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20歳棟りょう、異例の早さ 「となみ野建築」安元さん 寺社の伝統技法守る 2日上棟式
 
2022年7月1日 砺波市 地域・社会






 砺波市柳瀬の寺社建築を手掛ける「となみ野建築」の大工、安元将太朗さん=射水市赤井・大島=は、20歳の若さで現場を取り仕切る棟りょうとなった。同社によると、高卒から3年で棟りょうとなるのは異例の早さ。2日に上棟式が開かれる太田西区神明社(砺波市太田)の現場が、棟りょうとして初仕事となる。「ずっと目標だった。伝統を大切にしながら新しい技法にも挑戦したい」と意気込む。

 安元さんは高岡工芸高校で建築を学んだ。一時は住宅メーカーへの就職を考えたが、「自分の手でものづくりをしたい」と大工の道を歩み始めた。これまで六家神社(高岡市)や銀山寺(富山市)の再建に携わり、経験を積んだ。

 1月、太田西区神明社が老朽化で建て替えられることになり、棟りょうに抜てきされた。木材選びや墨付け、職人への指示など現場の総指揮を執る。となみ野建築の平井健司代表(51)は「墨付けの技術力が高く、真面目で努力家。安心して仕事を任せられる」と太鼓判を押す。

 安元さんは、高校の1年後輩で同社の大工、井川心(じん)さん(19)と仕事に励む。棟りょうの第一歩として「網代(あじろ)組」という200年前の木組みの技法に挑戦中。本殿の屋根の木を互い違いに組む全国的にも珍しい技法で、棟りょうの腕の見せどころだ。

 平井代表は「若手の中で先陣を切る存在。若い人材が減りつつあるが、後に続く大工が出てくればうれしい」と期待する。安元さんは「学んだことを生かし、地域の人に大事にしてもらえる神社を造りたい」と意欲を見せた。

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