トップ > ニュース >北日本新聞ニュース >焼き肉名店の味引き継ぐ 小矢部「田原」3年ぶり復活

北日本新聞ニュース

焼き肉名店の味引き継ぐ 小矢部「田原」3年ぶり復活
 
2022年7月28日 小矢部市 地域・社会






 小矢部市中心部で半世紀以上営み、3年前にのれんを下ろした「焼肉 田原」が、新しい店主のもとで営業を再開した。創業時からの秘伝のたれのレシピを引き継ぎ、親しみやすい雰囲気も大事にしたいとしており、復活を喜ぶ住民から予約が相次いでいる。

 「焼肉 田原」は1965年ごろ開業した。店主の故田原安時さんが一線を退き、89年から親族の峠幸子さん(76)=小矢部市石動町=が切り盛りしていた。だが、体力の衰えと店の前を通る県道拡幅に伴い、2019年8月に閉店した。

 市役所近くの同市本町で酒販店を営む中田秀樹さん(52)が、飲食店経験はないものの「名店を絶やしたくない。小矢部を元気にしたい」との思いで峠さんに再開を申し出た。中田さんにとって田原は酒類の納品先で、客としても昔ながらの雰囲気が気に入っていた。

 峠さんには、市外の飲食店からも譲渡の申し出があったが、小矢部ににぎわいをつくってほしいとの思いで中田さんに託した。

 中田さんは酒販店を改装して店を構え、しょうゆ味をベースにした秘伝のごまだれのレシピや、メニューを引き継いだ。19日に営業を開始。今月中は座敷席がすべて予約で埋まっており「先代のように、客に愛される店にしたい」と意気込む。当分の間、店を手伝う峠さんは「お客さんに分け隔てなく接し、温かい雰囲気をつくってほしい」と期待している。


© 北日本新聞
 
Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.