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となみ野ストーリー
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掲載日:2016年10月1日 次回更新日:2016年11月1日
となみ野ストーリー 第36回.女性の美を求め続けた美容師

●「女性」の憧れ、パーマネント
大正から昭和初期にかけて、女性たちの服装やスタイルは大きな変化を遂げました。この頃から美容師として活躍したのが、今回ご紹介する田中きみです。
 田中は、明治34(1901)年11月3日に西礪波郡若林村下中(現在の小矢部市下中)で生まれました。大正6年、15歳のきみは、富山市の髪結店へ修行に入ります。人一倍熱心な彼女は、一年半でひと通りの仕事をこなすまで成長、翌年には高岡で美容院を開きます。この頃、美容を取り巻く環境は、日々変化を続けていました。きみは新しい技術を学ぶべく、休みを利用して東京の美容室へ通いました。そして昭和13年、きみはパーマネント屋への切替を決断し、富山県初の美容院を開きます。お店には多くの女性が押し寄せたといいます。
 時代は戦争の道へ。警察からは「パーマをやめろ!」と執拗に圧力がかかりますが、彼女は「女性が美しくなろうとする心まで失いたくない」との信念を守り抜きました。

●旅館経営と教え子たちの奮闘
 戦後もきみは貧困に負けず、女性の美を追求するべく、美容院を続けました。この頃からきみは、県美容界のリーダーとして活躍をみせます。保健所から組合設立を依頼されたきみは県内を走り回り、富山県美容同業組合の設立にこぎつけ、初代組合長に選ばれました。またきみは、通信教育でも国家試験を取得できるようにと、厚生省に法律通過を強力に働き掛けます。法案通過のニュースをラジオで聞いていた病身の夫・直次郎ときみは、手を取り合って喜びました。
 昭和30年代に入り、きみは美容院は子供たちに任せ、富山大学に近い神通川河畔に「神通荘」を開業、生涯経営者兼女将を続けました。
 平成3年9月、神通荘で化粧をしていたきみは、突然倒れ、90年の人生を閉じます。教えた弟子たちは200人以上を数えますが、彼女たちは全国で活躍、きみがずっと持ち続けていた「女性の美」を日々追求しています。


田中きみ


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