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となみ野ストーリー
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掲載日:2017年4月1日 次回更新日:2017年5月1日
となみ野ストーリー 第42回.よきフランスに惹かれた男

●憧れの先輩の衣鉢を継ぐ
 国内で数少ない中世フランス文学研究の専門家として、世界の文学界に貢献したのが、砺波市出身の神澤榮三でした。
 神澤は昭和5年7月16日、東礪波郡油田村(現在の砺波市石丸)で、農業を営む武島家に生まれました。小学校時代から成績が優秀で、先生や同級生から一目置かれました。
 同18年に礪波中学校に進学した榮三は、農民作家・岩倉政治の元へ通う日々を送り、文学に興味を抱きます。そんな時、西脇順三郎の著書に出会った彼は、研究者の少ないフランス文学の研究を思い立ちます。
 同23年4月、榮三は明治大学予科に入学、翌年には同学文学部に編入し、同29年に卒業します。その後は東京大学大学院人文科学研究科修士課程へ進み、明大で非常勤講師となります。この頃、出町の神澤家の一人娘・和子と結婚します。
 それから間もなく、神澤は新村猛(当時名古屋大学文学部教授)から、「(名大の)仏文を継いでほしい」と依頼されます。そして同46年に名大文学部助教授となった彼は、以後教授となり、多くの研究者を育てました。

●仏のような笑みを浮かべて
 神澤はフランス中世文学、さらに西欧中世文学の紹介とわが国での研究・発展に尽くしました。名著で知られる『フランス文学講座』では、最新の学説を平易に解説し、『フランス中世文学集』(全四巻)では共訳で翻訳出版文化賞を受賞しました。
 中でも昭和57年発表の『《口踊詩》理論と武勲詩研究』は神澤の代表的な研究論文です。物語の発生と口承説話の関係を精密に論証したもので、大きな反響を呼びました。その後平成6年に定年退官し、名誉教授となりました。
 神澤は毎年盆と正月に砺波へ帰省し、同10年の盆も帰省していました。8月17日に彼は、昼食を済ませてからは横になっていました。そして神澤は、和子に「なんとなく胸の調子が悪い」とポツリと洩らします。そして68年の生涯を静かに閉じました。


神澤榮三


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