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となみ野ストーリー
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掲載日:2017年10月1日 次回更新日:2017年11月1日
となみ野ストーリー 第48回.故郷から文化復興に尽くした男

●心の師・松村謙三との出会い
 法律専門書を出版する青林書院を創立したのが、小矢部市出身の逸見俊吾です。
 逸見は大正12年3月27日、西礪波郡石動町紺屋町(現在の小矢部市八和町)の、真宗大谷派・等源寺で生まれました。郷土出身者に憧れた彼は、11歳の時、御堂の経文を持ち出して大阪へ旅立ち、門徒の古着屋で奉公生活をします。しかし関係者に見つかり、実家へ連れ戻されます。 
 その後逸見は、尊敬する松村謙三の母校・早稲田大学に入学します。間もなく生活費に困窮した彼は、下宿先の洋舞家の家に出入りしていた芸能人を動員し、郷里で興行活動を行いました。
 昭和20年9月に再び早稲田へ編入、富山・石川両県出身の在京の大学生と地元の学生で、加越能青年文化連盟を結成し、委員長に就任します。そして著名な作家や学者を郷里へ招いて講演会を開催、延べ10万人を動員しました。

●かけがえのない友を信じて…   
 こうした活動は、金沢財界のリーダー・井村徳二(大和社長)の目に止まります。「資金を出すから東京で好きな事業をしないか」と持ち掛けられ、同22年に頸草書房を設立します。
 ある日のこと、急性盲腸炎で入院中の逸見の元へ、柴田良太(柴田書店社長)が見舞いに訪れます。柴田は「もう一度出版をやらないか」と持ちかけ、同29年に青林書院を設立します。
 翌年社長に就任した逸見は、『日本音楽全集』の出版を企画します。歌謡曲や民謡などをソノシート付で発売した画期的なものでした。ところがその中から粗悪品が多く見つかり、返品が相次ぎます。結果会社は負債を抱えて倒産、家族や友人らは彼を励まし続けました。
 それから3ヶ月後の同36年12月、再建策が実を結んで青林書院新社が発足、再び逸見は出版に携わります。以降は法律専門書の専門出版となり(同59年青林書院に社名変更)し、現在に到っています。そして平成14年1月18日、78年の生涯を終えました。


逸見俊吾


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