井波・五箇山・城端を一大産業として栄えた蚕産業にスポットを当てた企画展が開かれた。

「蚕がつないだ南砺の産業」と題したこの企画展は、株式会社ティーエスティーテクノが発刊している、となみ衛星通信テレビの「チャンネルガイド誌」に紹介した蚕産業の記事がきっかけで、もっと詳しく知りたいという声が多かったことから開催された。

会場には、蚕の一生や生態、繭から糸が出来るまでの過程のほか、蚕の卵を販売する「蚕種」という役割を担った井波、蚕が繭になるまで育てる「養蚕」を支えた五箇山、繭から取れた糸を使って絹織物を生産した城端など、それぞれの地域の歴史などが紹介された。

また、当時使われていた道具や、蚕の通信販売のカタログとして発行されていた「蚕種)新聞」など、貴重な品々も展示された。

この日は、城端小学校６年の児童が、家庭科の授業で絹織物について学習していることから、解説員に質問をしながらメモを取ったり、パネルを絵に写し取ったりしていた。

また、特別に生きた蚕の幼虫や成虫を間近に観察したり、実際に繭から糸を引き出す様子もみせてもらうなど、地域を栄えた蚕についての理解を深めていた。