２０１７年１月に南砺市利賀村上百瀬の旧利賀スキー場で発生した大規模地滑りを受け、市が発令した避難勧告が１０日、１年半ぶりに解除される。対策工事が進み、安全性が高まったと判断した。付近の県道通行止めも同日、解除される。

　避難勧告は地滑りが起きた１７年１月、６世帯１０人に発令。同年２月、１世帯２人に対し解除した。その後、３世帯４人が利賀地域内の他地区や市外へ移り、現時点で避難しているのは２世帯４人。旧県利賀少年自然の家職員宿舎に暮らしてきた。

　勧告解除を受け、１世帯は自宅に戻れるが、もう１世帯の住宅は地滑りによって壊れたため、新たな住まいの確保が必要になるという。

　ゲレンデ下部では、コンクリートを積み上げた構造物の整備が進み、土砂を食い止められるようになったほか、上部での崩落防止工事も進んだ。これを受け、ゲレンデ下の県道約３４０メートル区間の通行止めも１０日に解除。迂回（うかい）路の通行を余儀なくされるという不便さが解消される。市の災害対策本部も解散する。