第14回 やりのさきのみず (3/4話)
そこでいよいよ成政と奥さんも一緒に捜しに出かけることになりました。 成政 「どこか少しでもいいから、水の出る所はないかのう。」 成政は草をかきわけかきわけ捜してみましたが、見あたりません。青い空では鳥が楽しげに飛びまわっていました。 成政 「おい、鳥たち。そんな鳴いてばかりいないで、どこかに水がないか教えてくれ」 しかし、鳥はチュンチュンと鳴いているばかりです。 困り果てた成政は、 成政 「どうぞ私達に水をお与え下さい」 と何度も何度も神様にお願いしました。 成政は舘村の山の中ほどを歩いている時、岩のとび出た所を見つけ、そこに生えている草や木だけがぬれているのに気づきました。 成政 「おや、他の岩は乾いているのに、ここの岩の草や木だけがぬれているぞ。よし、ここを槍でついてみよう。」 成政 「えい!」 成政は槍で岩をぶすんとひと突きしました。するとそこから沢山の水が「ゴーッ」と音をたてて吹きだしました。 家来 「わっ水だ、水だ。殿有り難うございます。」 戦いでのどがからからになっていた家来は、とびあがって喜びました。 それを見ていた成政の奥さんは、ここより少し離れた所へ行き、 「私もここを突いてみましょう。それ。」 と槍で岩を突きました。 するとどうでしょう。ここからも又々水が「ドドドーッ」と吹き出して来たのです。 −つづく−
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「わっ水だ、水だ。殿有り難うございます。」
「わっ水だ、水だ。殿有り難うございます。」
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